アウトドア燃料としてはローコストなカセットガス。様々な種類がありますが、わが家はメーカー純正ではなく、3本200円程度のものを使うのがほとんどです。
特に使えてるんで問題ないんですが、冬キャンプなど寒冷地では寒冷地用のガス使ったり、カセットガスによってはランタンの明るさが違うそうなので、今更かもしれませんが、カセットガスについて調べてみました。
まずは形状。カセットガスは1998年にJIS規格で統一され、ボンベ底から先端までの寸法と誤差を規定されているのだそうです。なので、基本的に3本200円のカセットガスと1本500円のカセットガスは互換性があります。同じメーカーのカセットガス使用を推奨しているのは、「組み合わせでガスが出にくいことがまれにある」として、自主的に表示いるんだそうです。
次は中身。カセットガスに限らずアウトドアで使用されるガスカートリッジも全てLPガスが充填されています。
LPガス(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)は一般的にはノルマルブタン、イソブタン、プロパンの3種類の単体もしくは混合ガスを指します。
このガスの混合比率によって低温時での使用、火力に違いが出てきます。
LPガスはボンベ内では圧縮されて液体になっているので、火を点けるには気化させノズルから噴出させなくてはなりません。
このとき、ガスの蒸気圧が高いものから気化されていきます。
また、沸点が低いものほど低温状態でも着火し、燃え続けます。
【ノルマルブタン】
沸点は-0.5℃で3種類のLPG中最も高く、氷点下での着火は不可能。蒸気圧(1.8kg)は3種類のLPG中最も低いです。
【イソブタン】
沸点は-11.7℃でノルマルブタンより低く、-10℃でも着火が可能。蒸気圧は2.6kgでノルマルブタンより高いため、高出力維持します。
【プロパン】
沸点は-42.1℃で3種類のLPG中最も低く、-40℃でも着火が可能。蒸気圧(8.5kg)も3種頬のLPG中最も高いため、高出力を維持しますが、カセットガスボンベ(カセットガスカートリッジ)の内圧を非常に高くする必要があります。
上記のことから、
プロパン→イソブタン→ノルマルブタンの順に噴出、燃えていきます。
寒冷地用ガスはプロパン、イソブタンを混合することで、低温時の燃焼性、着火性を改善していますね。(3本200円のカセットガスは室内使用を前提とする為、ブタン100%)
また、夏でもカセットガス内の温度は気化熱で冷えていきますんで、火力を落とさずにガスをしっかり使いきれるという点でも優れています。
一方、カセットコンロなどは輻射熱を利用してカセットガスを効率よく使用できるようになっていたりするので、寒冷地用ガスを使うと気化が促進されすぎて危険な場合があるので注意!!
また、同条件では寒冷地用カセットガスはガスの噴射効率がよくなるので、燃焼時間が短くなります。
ちなみにプロパンの混合率をあげると、ボンベ破裂などの事故確率が上がるため、一般的にカセットガスタイプのボンベではプロパンを30%以下に抑えています。
調べていくとちょっと面白くなってきましたw
次回は各メーカーごとのガス混合率をまとめてみようかと思います。
ちょっとしたトリビア~
ノルマルブタンはプロパン、イソブタンに比べると火力が落ちるように思われがちですが、実は体積辺りの熱量はプロパンより3割位多かったりします。
ノルマルブタン(128MJ=31000kcal/㎥)>プロパン(99MJ=24000kcal/㎥)
また、1g当たりの熱量は、
プロパン(50.4kJ/g)>ノルマルブタン(49.6kJ/g)>イソブタン(49.5kJ/g)
これまたイソブタンより若干多め。
まぁ、ほとんど差が無いんで、単位辺りのガスの熱量より、温度環境によってどれだけの量のガスが効率よく燃えてるかのほうが重要ですが。
ちなみに、50kJ = 12kcal。1calは、1gの水を1℃昇温させるのに必要な熱量です。
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